平成20年度経営事項審査改正の概要
1.経緯(過去の評価項目及び基準の課題)
(1)完成工事高評価への偏重
改正前の経営事項審査では完成工事高を表す評点(X)のウェイトが35%でしたが、平成20年の改正で25%へ引き下げられました。これは建設業を問わず売上高重視から利益重視さらにはキャッシュフロー重視へと推移している企業経営のあり方に沿ったものだと考えています。
(2)経営状況分析における評価分布の偏重
経営状況分析(Y)において、改正前には12種類の財務指標が採用されていました。しかし12種類すべてが比率であり絶対的な数値が採用されていませんでした。そのため比率(数値のバランス)さえ良ければ企業の大小を問わず良い評価が得られました。そのため零細企業でも最高点が取得できたケースが多く存在しました。
2.改正の概要
平成20年度の経営事項審査改正は前述の経緯をうけてX評点、Y評点の採点方法を改正することはもちろん、他に技術力評価のZ評点、社会性評価のW評点にも及んでいる。
- 完成工事高・利益・自己資本のバランスを加味(X1,X2)
- 企業実態を的確に把握(Y)
- 的確な技術力評価(Z)
- 社会的責任を果たすことで差をつける評価(W)
3.評点の内訳
| 区分 |
審査項目 |
ウェイト
※左は旧、右はH20年改正後 |
| 経営規模 |
X1 |
工事種類別
年間平均完成工事高 |
35% |
25% |
| X2 |
自己資本額
利益額 |
10% |
15% |
| 経営状況 |
Y |
経営状況分析
8種の財務指標 |
20% |
20% |
| 技術力 |
Z |
技術力評点 |
20% |
25% |
| その他の審査項目 |
W |
その他社会性等 |
15% |
15% |
4.影響
改正の影響についてよく言われていることは中小企業を中心に評価点が大幅にダウンするということである。もちろんケース倍ケースであるが多くの中小企業の評点が下がることになる。そしてその影響が表面化する時期は自治体にもよるが平成21年度、22年度からとなっている。それは平成20年度に改正された新経営事項審査による再審査申請は受け付けるものの、その評点を採用するのは次年度(平成21年度)以降としている場合が多いからである。